「iPhone SDK アプリケーション開発ガイド」レビュー

この前の飲みでiPhone開発やってるという話をしたらオライリー様より
「iPhone SDK アプリケーション開発ガイド」を献本頂きました.

飲みの場の話だったのでリップサービスかと思って油断してた(苦笑)

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書籍サイト@O’Reilly Japan
サポートサイト

というわけでレビューを書きたいと思います(遅くなってスミマセン).

まずはじめに書籍の構成はこんな感じ.

1章 iPhone SDKの概要
2章 Interface Builderの概要
3章 UI Kit入門
4章 マルチタッチイベントとジオメトリ
5章 Quartz Coreを使ったレイヤの処理
6章 iPhoneのサウンド−Audio ToolboxとAVFoundation
7章 CFNetworkを用いたネットワークプログラミング
8章 位置情報の取得−Core Location
9章 アドレス帳のフレームワーク
10章 高度なUI Kitデザイン
11章 アプリケーションの環境設定
12章 カバーフロー
13章 ページのフリック
14章 Media Playerフレームワーク
付録A Core Graphicsフレームワーク
付録B オーディオセッションとオーディオユニット

これまでiPhone開発本は他の出版社からいくつか出ていますが,
それらに比べてこの本は目次を見てもわかるようにかなり
広い範囲をカバーしています.

iPhone開発本でAudio Unitを扱った和書は
今のところこれだけじゃないかと.

ただ,Objective-Cの文法解説は最小限な感じなので,
初めての方はObjective-Cの入門書が手元にあると
心強いかもしれません.

また,個人的にこれは!!って思った章は,

・7章 CFNetworkを用いたネットワークプログラミング
・10章 高度なUI Kitデザイン
・12章 カバーフロー
・付録B オーディオセッションとオーディオユニット

です.

この本読む前はCFNetworkの良い解説が見つけられなかったので,
ネットワークはBSDソケットでごにょごにょやってました(苦笑) 
CFNetworkわかってしまうと便利すぎる!!

UI Kitについても多くのコンポーネントについて
サンプル+解説がかなり親切な感じ.
カバーフローっぽい機能を実現するサンプルも何気にうれしい(笑)

そして,待ちに待ったAudio Unitの記事.
これまでweb上のサンプルを見よう見まねでやってたので,
きちんとした解説があるのはうれしいです.

web上にあまり情報(特に日本語)がないので。。。

この書籍ではサイン波を鳴らすサンプルが紹介されてますが,
ここまでできれば矩形波,三角波,変調などなど応用が
いろいろきくので足がかりとしては十分かと.

と,ここまで褒めてばかりなので,不満だった点を述べると,
文字がちょっと多めなところがちょっと不満かなと.

もう少しUI画面例やUML(シーケンス図,クラス図)あたりをうまく
使ってくれれば頭に入ってきやすくなるのかも.その辺は
ページ数とかの兼ね合いで仕方ないのかもしれないけど,
改訂版とかで反映されたら良いな-.

ということでレビューはここまでです.
気付いた点があったらここに追記していきたいと思います.

グッドデザインエキスポ2009に行ってきた

グッドデザインエキスポ2009に行ってきました!!会場のビッグサイトでは
24時間テレビとComic City(←何のイベントかよくわからなかった)が
同時に開催されていたので人が多かった気がする.

率直な感想としてはいろんな製品が見ることが出来て楽しかった!!
世の中にこんなたくさんのものがあるのに,意識しないと本当に狭い範囲の
ものにしか触れてないんだなと.

ものづくりに携わっている人なら行く価値あると思います.
来年も行きたい!!

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個人的に一番興味深かったのは「500色の色えんぴつ」
小さい子が楽しそうに絵を描いてたこと.普通の色えんぴつ使うときと
「500色の色えんぴつ」を使うときでこどもの創造性って変わってくるのかな??

ということで自分が見たものの一部を写真付きで紹介.
dandelion1124@Picasaにて写真公開してみたので興味のある方はどうぞ.

最初なんで重機が。。。ってビックリしたけどある意味新鮮!!

これはカワイイ消火器.
ただ,色のバリエーションが多いとわかんなくなりそうだ(苦笑)

基板基板した何か(何だったか覚えてない。。。).
工学系ならちょっと惹かれるよね??

オルゴールが中に入っている木のおもちゃ.
動かすとオルゴールが鳴ってあったかい感じがする.

どこかのゲームに出てきそうな近未来の乗り物.

Macのエラーダイアログが出てたのでパシャリ.
多分,技術の不完全さと人間の無力さを表現したアートだと思われ(嘘)

大人の目線だと何も見えないけど。。。

こどもの目線だとメッセージが読める.
仕組みは単純だけどこういうメッセージ系のものは大好き.

#欲を言うなら仕組みをあえてボードに書かずに
#こどもが読めて大人が読めずに悶々とするようにした方が良かったのかも

「詳解 OpenCV」レビュー

レビュー遅くなってゴメンナサイ。。。
オライリー様より「詳解 OpenCV」を献本頂いたのでレビューしたいと思います.

■帯コメント
OpenCVの開発者Gary Bradskiさんと某アニメの監督がコメントされてます.
気になる人は書店等で手にとって確認してみて下さい.
上記の写真は帯を外して撮りました(笑)

■原著(英語版)との違い
日本語版オリジナル記事として以下の2つが追加されています.

(1) iPhoneへの移植,高速化のための最適化手法

個人的にiPhoneアプリの一開発者としてこの記事だけのために
この本買ってもいいんじゃないかなーと思うくらい有益な内容が載ってます.

この記事ではFaceDetectionをターゲットとして,チューニングテクニックが
紹介されていますが,OpenCVだけに限らずiPhoneアプリのチューニングに
使えそうな内容.

そして半年の月日が流れ、、、「詳細 OpenCv」に寄稿しました My life as an APE
によるとFaceDetectionに高速化を施すと高速化前に比べて3倍くらい速くなったらしい(笑)

(2) 「Webカメラで手や物体を感知するディスプレイ」製作
Pipe Renderさんによるレーザー水平器を用いたマルチタッチディスプレイ製作
工学ナビさんによる偏光板を応用したディスプレイ製作
というOpenCVを使って作ってみた系の記事.

偏光板ネタはコンピュータビジョン・拡張現実感に関する普通じゃない勉強会 2.0
で橋本さんが発表されたものですね.

■他のOpenCV書籍との違い
2009年8月現在,日本語で読めるOpenCVの書籍は,
・OpenCV プログラミングブック
・実践OpenCV―映像処理&解析
だと思いますが,本のボリュームが明らかに違います.

OpenCV プログラミングブック:496ページ
実践OpenCV―映像処理&解析:275ページ

詳解 OpenCV:640ページ

というわけでページ数が多いので,チェックする側は苦労したという(以下略)

他の書籍に比べて理論的な部分について数式を交えて網羅的に書かれているので,
結構ボリュームになってます.その分,学生の画像処理の教本としても使えるし,
研究者として最低限押さえておくべき知識も得られるという割と広いレンジで
使える本になってるのかなと(若干値が張りますが。。。).

また,OpenCVの開発者が書いたと言うこともあって,アルゴリズムを単純に
実装するとパフォーマンス出ないので実装上こういう工夫してるよーとか
OpenCVの一部の関数名に付いている謎の2の理由とかも書かれてます.
#やっぱりあの2はそういう意味だったんかい!!って思ったり.

なので,OpenCVをディープなレベルで使い倒したい人にもオススメ.

■OpenCV 1.1対応?
英語の原著がOpenCV 1.0ベースで書かれているため,
「詳解 OpenCV」もOpenCV 1.0ベースの記述です.
#なので,OpenCV 1.1で追加されたSURF等の話は載ってません.

まぁ,基本的な仕組みは大きく変わらないのでそこまで困らないのかなと

■どんな人にオススメ?
・画像処理を使って何か面白いものをつくろうと画策しているGeekな方
・研究,仕事でOpenCV使うことになっちゃった人
・OpenCVを本気で使い倒したい人(学生,社会人)
・iPhoneアプリで画像処理やりたい人
・iPhoneアプリでチューニングのやり方を知りたい人

■他の方のレビューまとめ
hirax.net::inside out::読めばワクワク楽しくなる「詳解 OpenCV」
詳解 OpenCV – 将来が不安
オライリー 詳解 OpenCV | My Codex Leicester
elevenido: 「詳解 OpenCV」レビュー

ということで今日はこの位で締めたいと思います.気付いたら随時追記していきます.