レビュー遅くなってゴメンナサイ。。。
オライリー様より「詳解 OpenCV」を献本頂いたのでレビューしたいと思います.
■帯コメント
OpenCVの開発者Gary Bradskiさんと某アニメの監督がコメントされてます.
気になる人は書店等で手にとって確認してみて下さい.
上記の写真は帯を外して撮りました(笑)
■原著(英語版)との違い
日本語版オリジナル記事として以下の2つが追加されています.
(1) iPhoneへの移植,高速化のための最適化手法
個人的にiPhoneアプリの一開発者としてこの記事だけのために
この本買ってもいいんじゃないかなーと思うくらい有益な内容が載ってます.
この記事ではFaceDetectionをターゲットとして,チューニングテクニックが
紹介されていますが,OpenCVだけに限らずiPhoneアプリのチューニングに
使えそうな内容.
そして半年の月日が流れ、、、「詳細 OpenCv」に寄稿しました My life as an APE
によるとFaceDetectionに高速化を施すと高速化前に比べて3倍くらい速くなったらしい(笑)
(2) 「Webカメラで手や物体を感知するディスプレイ」製作
・Pipe Renderさんによるレーザー水平器を用いたマルチタッチディスプレイ製作
・工学ナビさんによる偏光板を応用したディスプレイ製作
というOpenCVを使って作ってみた系の記事.
偏光板ネタはコンピュータビジョン・拡張現実感に関する普通じゃない勉強会 2.0
で橋本さんが発表されたものですね.
■他のOpenCV書籍との違い
2009年8月現在,日本語で読めるOpenCVの書籍は,
・OpenCV プログラミングブック
・実践OpenCV―映像処理&解析
だと思いますが,本のボリュームが明らかに違います.
OpenCV プログラミングブック:496ページ
実践OpenCV―映像処理&解析:275ページ
詳解 OpenCV:640ページ
というわけでページ数が多いので,チェックする側は苦労したという(以下略)
他の書籍に比べて理論的な部分について数式を交えて網羅的に書かれているので,
結構ボリュームになってます.その分,学生の画像処理の教本としても使えるし,
研究者として最低限押さえておくべき知識も得られるという割と広いレンジで
使える本になってるのかなと(若干値が張りますが。。。).
また,OpenCVの開発者が書いたと言うこともあって,アルゴリズムを単純に
実装するとパフォーマンス出ないので実装上こういう工夫してるよーとか
OpenCVの一部の関数名に付いている謎の2の理由とかも書かれてます.
#やっぱりあの2はそういう意味だったんかい!!って思ったり.
なので,OpenCVをディープなレベルで使い倒したい人にもオススメ.
■OpenCV 1.1対応?
英語の原著がOpenCV 1.0ベースで書かれているため,
「詳解 OpenCV」もOpenCV 1.0ベースの記述です.
#なので,OpenCV 1.1で追加されたSURF等の話は載ってません.
まぁ,基本的な仕組みは大きく変わらないのでそこまで困らないのかなと
■どんな人にオススメ?
・画像処理を使って何か面白いものをつくろうと画策しているGeekな方
・研究,仕事でOpenCV使うことになっちゃった人
・OpenCVを本気で使い倒したい人(学生,社会人)
・iPhoneアプリで画像処理やりたい人
・iPhoneアプリでチューニングのやり方を知りたい人
■他の方のレビューまとめ
・hirax.net::inside out::読めばワクワク楽しくなる「詳解 OpenCV」
・詳解 OpenCV – 将来が不安
・オライリー 詳解 OpenCV | My Codex Leicester
・elevenido: 「詳解 OpenCV」レビュー
ということで今日はこの位で締めたいと思います.気付いたら随時追記していきます.